桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
「ほー、お嬢様方もご一緒とは珍しいですな」
「こんにちは。初めまして、絵梨です。こっちは美桜」
こんにちは、と美桜も頭を下げる。
「これはこれは。ようこそお越し下さいました。さあ、どうぞ中へ」
「トムじい、今日もあれ、作ってくれる?」
「もちろん、用意してありますとも」
「いやったー!」
仁に、何がやったーなの?と美桜が聞くと、まあすぐに分かるよとはぐらかされた。
コテージの中には大きな木のテーブルがあり、その横はカウンターキッチンになっていた。
「ココアでも淹れましょうかね」
と言ってキッチンに入るトムに、美桜達は、手伝います、と続く。
お湯を注いだカップをスプーンで混ぜてから、絵梨と二人でテーブルに運んだ。
「アレン坊ちゃまもそろそろお呼びしましょうか」
トムがそう言ったのは、皆がココアを半分ほど飲んでしまってからだった。
「あ、ほんとだ。アレンがいなかったね」
「やーれやれ、またかい?お嬢さん方。アレンが泣いちゃうぜ?」
仁がまたもやあきれ声で言い、いや悪気はなかったんだけど、ついうっかり、と二人で言い訳する。
「ま、ではみんなで呼びに行きますか」
立ち上がってコテージを出ていく仁を、二人も追いかけた。
が、裏側に回ったとたん馬がすぐ近くを駆けていって、思わず声を上げる。
「うわ、びっくりした」
「ほんと。でもかっこいいねー」
柵で囲われた中を颯爽と駆けている栗色の馬は、細身の騎手と一体となって風のようだ。
「絵になるねえ、それにしてもすごい速さ」
うんうんと絵梨の言葉に頷いていた美桜は、もう一度騎手に目をやる。
「こんにちは。初めまして、絵梨です。こっちは美桜」
こんにちは、と美桜も頭を下げる。
「これはこれは。ようこそお越し下さいました。さあ、どうぞ中へ」
「トムじい、今日もあれ、作ってくれる?」
「もちろん、用意してありますとも」
「いやったー!」
仁に、何がやったーなの?と美桜が聞くと、まあすぐに分かるよとはぐらかされた。
コテージの中には大きな木のテーブルがあり、その横はカウンターキッチンになっていた。
「ココアでも淹れましょうかね」
と言ってキッチンに入るトムに、美桜達は、手伝います、と続く。
お湯を注いだカップをスプーンで混ぜてから、絵梨と二人でテーブルに運んだ。
「アレン坊ちゃまもそろそろお呼びしましょうか」
トムがそう言ったのは、皆がココアを半分ほど飲んでしまってからだった。
「あ、ほんとだ。アレンがいなかったね」
「やーれやれ、またかい?お嬢さん方。アレンが泣いちゃうぜ?」
仁がまたもやあきれ声で言い、いや悪気はなかったんだけど、ついうっかり、と二人で言い訳する。
「ま、ではみんなで呼びに行きますか」
立ち上がってコテージを出ていく仁を、二人も追いかけた。
が、裏側に回ったとたん馬がすぐ近くを駆けていって、思わず声を上げる。
「うわ、びっくりした」
「ほんと。でもかっこいいねー」
柵で囲われた中を颯爽と駆けている栗色の馬は、細身の騎手と一体となって風のようだ。
「絵になるねえ、それにしてもすごい速さ」
うんうんと絵梨の言葉に頷いていた美桜は、もう一度騎手に目をやる。