桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
しばらく楕円形の外周を走っていた仁とアレンは、何かの合図の後、いきなり楕円の内側に方向を変えた。
「え、ちょっと。まさか」
絵梨と美桜が息を詰めて見つめる中、二人は真ん中にある障害に向かっていく。
体をかがめて前傾姿勢になると、一気にスピードを上げて空中に飛び上がり柵を越えた。
「うわー!すごいすごい!」
思わず絵梨と美桜は手を叩いた。
その後も立て続けに三つの障害を飛び越え、最後はラストスパートで少しアレンがリードして、二人はゴールした。
仁は少し悔しそうに、そしてアレンは嬉しそうにしながら、なにやら話している。
コテージのそばまで来ると、ようやく二人は馬を降りた。
「すごいのねー二人とも!」
「うん、もうびっくり。迫力あったわ」
美桜も絵梨も、今回ばかりはお世辞抜きの正直な感想だった。
まあね、と仁が軽く流す。
「さあ、準備が出来ましたぞ。どうぞ中へ」
背後からトムの声が聞こえた。
「お、やった!早く入ろう」
仁のお待ちかねのものってなんだろうと思いながら、美桜達も中に戻った。
するとおいしそうな匂いに気付く。
「うわーいい匂い。これってシチュー?」
「そう!トムじいさん特製のスープ・イン・ザ・ブレッド。これを食べなきゃイギリスに来た気がしないんだよなあ、俺」
よほど早く食べたいのか、仁は自らテーブルに皆の食器を並べながら言う。
「ほんとにおいしそう!」
大きなパンの中をくり抜いてクリームシチューを入れてあり、色んな種類の野菜も添えられている。
どうやらチーズフォンデュのように野菜やパンをくぐらせて食べることも出来るようだ。
「早く食べようぜ」
「うん、ほら美桜も」
促されて席につこうとした美桜は、アレンがまだ来ていないことに気付く。
「馬を繋ぎに行ったのかな?見てくるね」
そう言うとコテージを出て裏手に回る。
アレンはすぐ近くで、馬のブラッシングをしていた。
「え、ちょっと。まさか」
絵梨と美桜が息を詰めて見つめる中、二人は真ん中にある障害に向かっていく。
体をかがめて前傾姿勢になると、一気にスピードを上げて空中に飛び上がり柵を越えた。
「うわー!すごいすごい!」
思わず絵梨と美桜は手を叩いた。
その後も立て続けに三つの障害を飛び越え、最後はラストスパートで少しアレンがリードして、二人はゴールした。
仁は少し悔しそうに、そしてアレンは嬉しそうにしながら、なにやら話している。
コテージのそばまで来ると、ようやく二人は馬を降りた。
「すごいのねー二人とも!」
「うん、もうびっくり。迫力あったわ」
美桜も絵梨も、今回ばかりはお世辞抜きの正直な感想だった。
まあね、と仁が軽く流す。
「さあ、準備が出来ましたぞ。どうぞ中へ」
背後からトムの声が聞こえた。
「お、やった!早く入ろう」
仁のお待ちかねのものってなんだろうと思いながら、美桜達も中に戻った。
するとおいしそうな匂いに気付く。
「うわーいい匂い。これってシチュー?」
「そう!トムじいさん特製のスープ・イン・ザ・ブレッド。これを食べなきゃイギリスに来た気がしないんだよなあ、俺」
よほど早く食べたいのか、仁は自らテーブルに皆の食器を並べながら言う。
「ほんとにおいしそう!」
大きなパンの中をくり抜いてクリームシチューを入れてあり、色んな種類の野菜も添えられている。
どうやらチーズフォンデュのように野菜やパンをくぐらせて食べることも出来るようだ。
「早く食べようぜ」
「うん、ほら美桜も」
促されて席につこうとした美桜は、アレンがまだ来ていないことに気付く。
「馬を繋ぎに行ったのかな?見てくるね」
そう言うとコテージを出て裏手に回る。
アレンはすぐ近くで、馬のブラッシングをしていた。