桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
「さてさて次は、買い物でーす!」
仁がもったいぶって次の行先を告げると、絵梨と美桜は、やったー!と盛り上がった。
牧場をあとにした馬車は、アレンも含めた四人を乗せて、さらに下へと下って行く。
着いたのは、今までののどかな田舎の風景とは全く違う、大きなショッピングモールだった。
「へえ、こんなところにこんな立派なモールがあるんだね」
「あ、ねえ絵梨ちゃん、あそこ見て。可愛い風車があるよ」
「ほんとだ。よく見ると壁画とかもいいね」
そこまでは良かったのだが、馬車から降りたとたん雰囲気は一変する。
「え、ちょっと、何これ?」
「分かんない、何の騒ぎ?」
二人は呆然とその場に立ち尽くす。
どこから来たのだろう、あっという間にたくさんの女の子達に囲まれたのだ。
いや、正確に言うと囲まれたのはアレンだけだ。
「はいはいー、ちょっと通して下さいなー」
仁が慣れた手つきで、アレンをガードしながら歩く。
反対側にはメイソンがぴたりとアレンに張り付き、表情も硬く周囲に目を光らせている。
やがて嵐のような一行は、モールの中へと消えていった。
ポツンと残された二人は、まだ動けないでいた。
「なんだろう、アイドルグループの追っかけみたいな?」
「あー、確かに。でもメイソンの様子だと、国の要人警護のSPみたいだったね」
とにかく、アレンはここでは有名人だということだろう。
二人はそう結論を出して、ようやくモールの入口へと向かった。
そっと中の様子をうかがいながら慎重に入る。
キャーキャーと女の子の歓声が響く中、正面の店のドアの前で、メイソンが仁王立ちしているのが見えた。
仁がもったいぶって次の行先を告げると、絵梨と美桜は、やったー!と盛り上がった。
牧場をあとにした馬車は、アレンも含めた四人を乗せて、さらに下へと下って行く。
着いたのは、今までののどかな田舎の風景とは全く違う、大きなショッピングモールだった。
「へえ、こんなところにこんな立派なモールがあるんだね」
「あ、ねえ絵梨ちゃん、あそこ見て。可愛い風車があるよ」
「ほんとだ。よく見ると壁画とかもいいね」
そこまでは良かったのだが、馬車から降りたとたん雰囲気は一変する。
「え、ちょっと、何これ?」
「分かんない、何の騒ぎ?」
二人は呆然とその場に立ち尽くす。
どこから来たのだろう、あっという間にたくさんの女の子達に囲まれたのだ。
いや、正確に言うと囲まれたのはアレンだけだ。
「はいはいー、ちょっと通して下さいなー」
仁が慣れた手つきで、アレンをガードしながら歩く。
反対側にはメイソンがぴたりとアレンに張り付き、表情も硬く周囲に目を光らせている。
やがて嵐のような一行は、モールの中へと消えていった。
ポツンと残された二人は、まだ動けないでいた。
「なんだろう、アイドルグループの追っかけみたいな?」
「あー、確かに。でもメイソンの様子だと、国の要人警護のSPみたいだったね」
とにかく、アレンはここでは有名人だということだろう。
二人はそう結論を出して、ようやくモールの入口へと向かった。
そっと中の様子をうかがいながら慎重に入る。
キャーキャーと女の子の歓声が響く中、正面の店のドアの前で、メイソンが仁王立ちしているのが見えた。