桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
 案の定、ドリンクを買って席についたとたん、追っかけの女の子達にぐるっと囲まれた。

 「はいはい、アレンと握手したい人は並んでねー。Make a line.プリーズねー」
 
 仁は慣れた手つきで女の子達を整列させる。

 「完全にアイドルのマネジャーだわね」
 「あはは、うん。かなり敏腕のね」
 
 そう言って初めは笑って見ていた絵梨と美桜だったが、やがて女の子達の冷ややかな視線に気付く。

 「ねえ、なんか私達ひそひそささやかれてない?」
 「うん。あの子達いったいアレンの何なのよ!みたいな感じ?」
 
 どうにも居づらくなった二人は、すぐ戻るからと仁に告げてその場を離れた。

 「ひゃー、すごい熱気だったね」
 「うん。あー、ほっとする」
 
 二人はしばらく近くの店を見てみることにした。
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