桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
 「ねえ、このお店可愛いよ。入ってみよう」
 「ほんとだ。なんだろう?ショールームみたいな感じだね」
 
 入口にいたスタッフと挨拶を交わして中に入る。
 店内はとても広く、ベッドや家具なども置かれてまるでモデルルームのようだ。

 「ねえ、それぞれの部屋にコンセプトがあるんじゃない?この辺りは女の子っぽい感じ」
 「確かに。見て、クローゼットの中の洋服やドレッサーの上のアクセサリーもちゃんと売り物なんだね」
 
 おもしろーい、と言って、絵梨は少し離れたエリアを指差した。

 「私、あのお部屋見てくるね」
 
 そこはモノトーンにまとめられたシックな趣きの部屋だった。

 「あー、うん。絵梨ちゃんっぽいね」
 
 美桜は、一人であてもなくぶらぶら見て回ることにした。

 やがて薄い色合いのシンプルなコーディネートの部屋で、良さそうな服を何着か選ぶ。

 (シャツとかスカートも、どことなく日本では見ない感じだなあ。シンプルだけど斬新で色も綺麗)
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