桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
「うーん、どうしよう」
すでに悩み始めて五分以上経っている。
が、未だに決心がつかずに、美桜はショーケースの前で考え込んでいた。
先程のアクセサリーはすんなり決まって、会計も済ませた。
その後ももう少し店内を見たいと絵梨が言い、美桜は一人違う店に来ていた。
さっき皆でフードコートに向かっていた時に、ふと目にして気になっていた店だ。
「どうしよう、買いたい、けど迷惑かも…」
ぶつぶつと一人で呟いていた美桜は、レジの横でこちらの様子をうかがっている男性スタッフに気付いて、思わず愛想笑いをする。
先程
「May I help you?」
と聞かれて、
「I’m just looking.」と答えたのに、まだその場を離れない美桜だった。
(全然ジャスト・ルッキングじゃないな。いい加減に決めないと)
目をつぶってしばらく考えてから、よし!と美桜は力強く頷いた。
「Could I have this one?」
美桜がレジの男性にそう言うと、満面の笑みで、Sure!と答えてくれる。
そして何も言わないうちに、綺麗にラッピングしてくれた。
クレジットカードで会計を済ませると、最後に店の外まで出て見送ってくれ、グッドラック!と親指を立てながらウインクされた。
「ははは、センキュー」
美桜は力なく笑う。
(完全に勘違いされたな。逆プロポーズでもするのかと。ま、いいか)
絵梨のいる店に戻ろうと歩き始めたが、すぐまた別の店のディスプレイに目がいった。
(カメオブローチだわ。素敵!)
今度は全く迷うことなく、そのブローチを買い、ギフトだと告げてラッピングしてもらう。
(これはきっと喜んでくれるはず!)
目の高さまで包みを持ち上げて、美桜はその人の喜ぶ顔を想像してふふっと笑った。
すでに悩み始めて五分以上経っている。
が、未だに決心がつかずに、美桜はショーケースの前で考え込んでいた。
先程のアクセサリーはすんなり決まって、会計も済ませた。
その後ももう少し店内を見たいと絵梨が言い、美桜は一人違う店に来ていた。
さっき皆でフードコートに向かっていた時に、ふと目にして気になっていた店だ。
「どうしよう、買いたい、けど迷惑かも…」
ぶつぶつと一人で呟いていた美桜は、レジの横でこちらの様子をうかがっている男性スタッフに気付いて、思わず愛想笑いをする。
先程
「May I help you?」
と聞かれて、
「I’m just looking.」と答えたのに、まだその場を離れない美桜だった。
(全然ジャスト・ルッキングじゃないな。いい加減に決めないと)
目をつぶってしばらく考えてから、よし!と美桜は力強く頷いた。
「Could I have this one?」
美桜がレジの男性にそう言うと、満面の笑みで、Sure!と答えてくれる。
そして何も言わないうちに、綺麗にラッピングしてくれた。
クレジットカードで会計を済ませると、最後に店の外まで出て見送ってくれ、グッドラック!と親指を立てながらウインクされた。
「ははは、センキュー」
美桜は力なく笑う。
(完全に勘違いされたな。逆プロポーズでもするのかと。ま、いいか)
絵梨のいる店に戻ろうと歩き始めたが、すぐまた別の店のディスプレイに目がいった。
(カメオブローチだわ。素敵!)
今度は全く迷うことなく、そのブローチを買い、ギフトだと告げてラッピングしてもらう。
(これはきっと喜んでくれるはず!)
目の高さまで包みを持ち上げて、美桜はその人の喜ぶ顔を想像してふふっと笑った。