最強王子とフェンス越しの溺愛キス
だけど顔を赤くする私に、生吹くんの猛攻は続いた。
「顔、もっとよく見せて。
本当に新島に何もされてない?」
「え、あ……」
生吹くんが私の両頬に手を添える。そして、クイッと角度を上げた。
だけど、
生吹くんが触っているその頬こそ、新島が手をつけた場所。
ペロッと、舐められた……気持ち悪い記憶。
「何も、されてない……っ」
生吹くんに知られたくなくて、必死に誤魔化す。だけど、生吹くんは疑いの目で私を見た。
「美月、嘘はいけない」
「ひゃ……っ」
耳元でボソッと囁かれる。吐息が思わずくすぐったくて、身をすくめた。
すると生吹くんは「美月かわいい」と頬をスリっと指でなぞる。
「今から俺が、美月を上から触るね」
「……え?」
上から、触る?
生吹くんが、私を?
理解できないでいると、生吹くんが「じゃあスタート」と言って、頭のてっぺんにキスを落とした。
「っ!」
「新島に何をされたか言わなきゃ、ずっと続けるから」
「(そ、)」
そういう事だったんだ……っ!