最強王子とフェンス越しの溺愛キス


だけど顔を赤くする私に、生吹くんの猛攻は続いた。



「顔、もっとよく見せて。

本当に新島に何もされてない?」

「え、あ……」



生吹くんが私の両頬に手を添える。そして、クイッと角度を上げた。

だけど、

生吹くんが触っているその頬こそ、新島が手をつけた場所。

ペロッと、舐められた……気持ち悪い記憶。



「何も、されてない……っ」



生吹くんに知られたくなくて、必死に誤魔化す。だけど、生吹くんは疑いの目で私を見た。



「美月、嘘はいけない」

「ひゃ……っ」



耳元でボソッと囁かれる。吐息が思わずくすぐったくて、身をすくめた。

すると生吹くんは「美月かわいい」と頬をスリっと指でなぞる。



「今から俺が、美月を上から触るね」

「……え?」



上から、触る?

生吹くんが、私を?


理解できないでいると、生吹くんが「じゃあスタート」と言って、頭のてっぺんにキスを落とした。



「っ!」

「新島に何をされたか言わなきゃ、ずっと続けるから」

「(そ、)」



そういう事だったんだ……っ!


< 102 / 447 >

この作品をシェア

pagetop