最強王子とフェンス越しの溺愛キス
既に生吹くんは有言実行しているらしく、頭からだんだんと下りてくる。
キスをしながら。
「次はおでこ、目、耳、頬……。
美月はどこまで我慢できるかな?」
「っ!」
意地悪そうにニヤリと笑われて、私の顔は更に赤くなる。
こんな至近距離で。お互いの吐息が混じり合う密接空間で、キスなんて……っ。
ちゅっ
「っ!」
生吹くんのリップ音が、私の耳や脳を、どんどん麻痺させていく。
「あの、も、もう……っ」
「ダメ、言ってくれないと止めない」
そうして、生吹くんが頬にキスをしようとした、その時。
バッと条件反射で頬を抑える。
「そこに、キスは……しないでっ」
私のか細い声が、二人の間に切なく響いた。