最強王子とフェンス越しの溺愛キス


「んんっ!!?」



食べてしまった、じゃなくて……っ!

な、なんで!どういう事っ!?



生吹くんに唇を食べられた、っていうか


これは、もう……キス、だよね?



「んん……っ!」



いきなりの事で驚いて、とりあえず身じろぎをしてみる。

だけど生吹くんは、私をガッチリと抱きしめている。顔もどういう事が、1mmも動かせない。



「ん、んんーっ!」



生吹くん――と何度も呼んでみると、生吹くんは「ちうっ」と私の上唇をついばみながら、離れていった。



「ぁっ、……っ」



へ、変な声が出ちゃった……っ!

急いで口に蓋をする。口を中心に顔全体を、両手で覆った。


だけど――



「美月、ダメだよ」

「へ、」

「まだ、全然ダメ」

「だ、」



ダメって、何が……!?

と聞きたいところだけど、ペースは完全に生吹くん主体。

私は尋ねることも、キスを拒否することも――何も出来ず、ただ、されるがままとなる。


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