最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「ごめん、って……何が?」
「暴走した。新島が許せなくて。美月を守ってやれなかった俺自身も許せなくて。
美月の不安を取れたらって思ってたのに、俺が美月を不安にさせた。ごめんね」
「そんな、こと……」
生吹くんの頭を見ながら、頭を振る。
確かに、いつもの生吹くんじゃなかった。その、凄く艶かしかったというか……っ。
だけど、
「嫌じゃ、なかった、よ……?」
「っ!」
瞬間、生吹くんの体がピタリと動かなくなる。歩いていた足も、完璧に止まってしまった。
「い、生吹くん……?」
恐る恐る声をかける。
どこか調子悪い?それとも……。
心配しかけた、その時。
「今、おんぶしてて本当に良かった」
生吹くんが、ポツリと呟いた。
「あんまり可愛いこと言わないで美月。俺、本当に食べちゃうかもよ?」
「た、食べちゃう……?」
「そう、美月を」
「ッ!?」