最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「あ、良かった。また会えた」
「……こ、こんにちは」
次の日。
朝から「今日のお昼休みはどうしよう」と悩んでいた私。
悩めば悩むほど、時計の針が早く進んでいるように思えて。
気づけば、お昼休み。
「(来ちゃった……)」
悩んだ末に、お弁当を持って旧ゴミ捨て場に来た時。既に綺麗な顔の生吹くんは、そこへ立っていた。
私を見た瞬間に、生吹くんの黒い瞳が、またスッと細められた。
その動作が、まるで「会えて嬉しい」と言ってくれているようで……私の顔がポンッと赤くなる。
「(恥ずかしい、けど会えて嬉しい。
けど、照れくさいな……っ)」
赤くした顔を下に向けたまま、一向に動かない私を見て。
生吹くんは不思議そうに「美月?」と名前を呼び、フェンスギリギリまで近づいた。