最強王子とフェンス越しの溺愛キス
ガチャ
朝、アパートを出ると、
「え、あ、あれ……?」
「おはよう、美月」
アパートに体を預けた生吹くんの、少し細くなった目と視線があった。
「え、あれ?」
なんで生吹くんが?
どうして私のアパートに?
色んな疑問が枠く中。今日の生吹くんもカッコよくて、思わず目を奪われてしまう。
朝日に照らされる生吹くんが、光って見える。いつもより、余計に。
「……美月?」
「え、あ、なんでも、ない……っ」
いつもと違うのは、少し眠そうに見える顔。眩しい朝日に必死に抵抗して細くなった目を、可愛いって思ったり。
「驚かせてごめんね。これから朝は一緒に登校していい?」
せっかく学校も隣同士だしね
そう言ってくれた生吹くんに、少しだけ違和感を覚えた。
もしかして、昨日の一件があったから……私を気にかけてくれてるのかな?
でも、そっか。
どんな理由であれ、生吹くんと一緒に居られるのは……
「嬉しいっ」
お昼以外にも一緒にいられる。二人の間にフェンスを挟まずに、お喋りが出来る。
そう思うと素直に嬉しくて、駆け足で生吹くんの隣に並ぶ。