最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「うわぁー!あなたが美月さんッスねえ!すっげー美人!」
「……」
よく喋るヒョウ柄の子と、寡黙を貫き私を全く見ない銀髪の人。
まるで静と動のような正反対の二人を前に、私は困惑して生吹くんを見た。
「驚かせてごめんね。安心して、この人たちは怖い人じゃないよ。今から紹介するね」
「う、うん……」
「紹介」と生吹くんは言ってくれるし、Lunaの人では無いって、こと?
私は控えめに頷きながら、まだ生吹くんと繋がっている手にギュッと力を込めた。
「ヒョウ柄のこちらが、汰生 小太郎(たお こたろう)。A校一年。美月の隣のクラスだよ。
銀髪のこちらが、藤堂伊織さん。A校三年。そしてMoonの総長代理をしている」
「……へ?」
Moon?
って、あの暴走族のMoon?
「(の、総長代理!?)」
ビックリして、肩がピョンと跳ねる。
「(お、大袈裟に反応し過ぎたかな?失礼にあたるかな……っ?)」
だけど藤堂先輩は私を見ていなかったらしい。よかった、とホッと息を着く。
というか――
藤堂さんは、さっきから一度も私をみてない気がする。視線が全く合わないもん……。
すると私の疑問を解消するように、汰生さんが口を開いた。