最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「誰だって、魔女とは関わりたくないだろうし……関わりがなかったのは、普通のことだと思います」
「美月さん〜……」
急に子犬になったような小太郎くん。シューンと耳が垂れてるように見える。
更に私の手を握ったまま、もう片方の手で「グシッ」と涙を拭いた。
「美月さんが魔女なんて間違ってるッス。だって、美月さんは……て、天使みたいじゃないッスか!」
「て、」
天使……?
「た、たぶん、それもそれで、違うと思います……」
「いや、違わないッス!」
全然聞く耳をもってくれない小太郎くん。校門を出てすぐの所だから、まだまだ人通りは多い。
「魔女が男子を泣かしている」
そんな言葉まで聞こえてきて、私はますます肩身が狭くなった。
「そ、それより……!」
閑話休題――無理やり話を変えてみる。