最強王子とフェンス越しの溺愛キス


「昨日尋ねた”真白”という人は、美月が襲われた際に美月のスマホを使って俺に電話をかけてきました」

「”美月を助けてあげて”って?」

「はい」



頷く生吹。なるほど、それで美月ちゃんは助かったのか。



「(だけど、それが事実なら――)」



どうしてお前は、その真白と言う子を警戒しているんだ?



「怪しい動きでもあったのかな?」

「実はその日の昼。美月と昼飯を食べていた時に、初めてパスワードを設定したんです。美月のスマホに、ロックをかけるために」

「! へぇ」



他校の二人がどうやって昼飯を食べてるかとか、美月ちゃんがパスワード未設定だったとか――色々と気になる箇所はあった。

が、それはさておき。


確かに、真白はちょっときな臭い。

ばかりか、怪しさ満点だ。



「美月自身でないと知りえない番号です。適当に打って当たるもんじゃない」

「ちなみに何番?」

「……」



生吹が、チロッと俺を見た。すぐに言わないところを見れば、生吹もまた、俺を疑っているのか?

美月を攫ったLunaとMoonが、本当に手を取り合ってないか――とか。思っているのだろうか?


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