最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「ふふ、大丈夫。俺の口は堅いから安心して」
「……頼みます。こんな話、一輝ともしないんで」
「へぇ」
それは、意外。
「じゃあ何で、今俺に話してくれるのかな?」
本当に真意が分からなくて、生吹に尋ねる。
すると生吹はニッと笑って、ここで初めて俺を見た。
「俺の全ての事を話すので、俺を信じて、俺の話を信じて――
確実に美月を守ってくださいって、そういう事です」
「……」
やられた。
俺が生吹を疑っている事に、気づいてやがった。
「……生吹、やっぱり総長じゃないの?勘が良すぎ」
「だから、そういう疑いの目をやめてくださいってば」
ジトーと俺を見る生吹は、次の瞬間。パッと、ポケットに手を当てた。
なんだ?電話か?
「出ていいよ」と許可すると、生吹は驚いたようだった。