最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「たぶん美月からのメール、なんですけど……。
いいんですか?スマホを操作して。俺、まだ疑われてるんでしょ?」
他の仲間にコッソリ連絡とってるとか、思わないんですか――?
困ったような、逆に煽ったような言い方に、俺の顔に笑みが浮かぶ。
「バーカ」と生吹の頭に置いた手に力を込めて、生吹の前に立つ。
「こう見えて、俺は情に厚いよ?
可愛い新入りが丸裸で”信じて”って言ってんのに、それを信じない総長代理がどこにいるの」
「!」
最後に少しだけ振り向いて笑って見せると、生吹の口の端がニヤリと動くのを見た。
「(少し距離が縮まったかな?)」
そう思い、僅かに肩の力が抜ける。
そして「じゃあお言葉に甘えます」と言ってから、スマホを確認する生吹。
画面が明るくなるや否や、忙しく画面を動く指。
「(本当に美月ちゃん一筋だな……)」
だけど生吹は、そんな中で俺に話しかけて来た。