最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「グレたかそうじゃないかは、自分で直接聞いたら?それで、一輝に恋の話をしてあげて」
「……なんでですか?」
「単純に気になるだろ。親友として。
それに――
応援したいもんだよ、親友の恋ってね」
「……」
生吹は生気のない目をしていたが、少しずつ納得しているらしかった。
最後には折れたらしい。ため息をついて「分かりましたよ」と小声で言った。
「……今度会ったら」
たぶん話します――の”たぶん”を強調した彼。
だけど、そっけない顔とは裏腹に、口元は緩んでいた。
しかし――
この場に和やかな空気が出来た、そんな時。
また、生吹がスマホに反応する。
「美月ちゃんでしょ。出ていいよ」
そう言うと、間髪入れずに画面を確認した生吹。
そして、その顔が――
一瞬にして、凍り付いた。