最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「藤堂さん……すみません。俺抜けてもいいですか?」
「なにかあった?」
緊迫した様子の生吹に、俺も即座に反応する。
生吹は眉間を顰め、顔を歪めてスマホを見せた。
「藤堂さんが警戒してくれていて正解でした。
真白ってヤツ――今、美月の家にいるそうです」
「!?」
その言葉に、一瞬、声を失った。
だけど画面を見ると確かに「今、真白ちゃんと家で遊んでるんだよ」という文面が並んでいる。
なんでだ?どういうことだ?
小太郎はどうした、何をしてるんだ?
「(まさか……!)」
冷や汗がツウと俺の頬を撫でる。
だけど生吹のよく通る声が、俺の耳に入って来た。