最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「やっぱ最高だよ、お前たち」
ポツリと漏らした俺の言葉に、皆が眉を下げて笑う。
照れている者、嬉しがっている者――
そんな仲間の顔を、目に焼き付けた。
そして生吹の後を追うため、踵を返して出口に向かう。
「生吹!」
「連絡が途絶えました!美月に何かあったのかもしれない!」
生吹が俺を視界にいれながら、それでもグングンとスピードをあげる。
目的地は、美月ちゃんの家か?
「(にしても、顔を合わせたその日に事件とはね)」
彼女の事は、確かに守ると言った。
だけど、こんなに早く、事が起きるなんて――
「抗争には、なりたくねーよなぁ」
ポツリと呟いた言葉に、前にいた生吹が。
目だけを寄こして、反応したのだった。
side 藤堂 end