最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「それはアンタも同じでしょ」
「初めて共闘したのに仲良くなれないねぇ」
「(この声って……)」
生吹くんが普通に話をしているし、何より。
私はこの声を知っている。
体を少しズラして、生吹くんの話し相手を見つける。
すると――
「や、美月ちゃん。助けに来たよ」
その人は、私の視界にハッキリと映った。
だって、この薄暗い部屋で眩しい程に白んでいたから。
「純弥、先輩……?」
「うん、真白から”ココにいるから助けて”って連絡もらってね。
伊織にココの場所を連絡してから、僕も助けにきたよ!」
「そう、なんですね……」
新島と話していた時は途中から頭が真っ白で、彼女の事を気に掛ける余裕はなかった。
だけど、意識がハッキリした今――必死になって姿を探す。