最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「俺、今……正気じゃない」
「え?」
「新島にひどいことされた美月を傷つけたくない。それなのに、新島を殺したくなるくらい腹が立ってる俺を……きっと俺は止められない。いま美月とキスしたら、俺は暴走する」
「ぼう、そう……?」
今まで目を合わせず話していた生吹くん。
だけどスイッと視線を動かして、私と交わった。
そして――
「美月をめちゃくちゃに抱いてしまうってこと」
「っ!」
その一言に、ドクンと心臓が跳ねた。
今の言葉が、本当に生吹くんから出て来たのかとか、頭ではそんな事を思っていて……。
だけど、さっきの言葉が脳内でリピートする時、その声の主は生吹くんで……。
「抱、く……?」
訳が分からなくて、思わず……
私も繰り返してしまった。