最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「っ!」
すると私を見つめる生吹くんの瞳が、ユラリと揺れる。
そしてだんだんと、生吹くんの手によって、私の顔が引き寄せられた。
二人の距離が近づく。
五秒、四秒、三秒――
カウントがゼロになった時。
ちょんと、お互いの唇が少しだけ触れ合った。
「あ……っ」
焦らされた分――触れ合った瞬間に”我慢できない”みたいな声が出てしまう。
恥ずかしくて、勢いよく口を抑えた。
だけど、私は……
きっと、やってしまったんだ。
生吹くんのトリガーを、引いてしまった――
「い、ぶき、くん……?」
控えめに名前を呼ぶ私を、生吹くんは覗き込んで見た。
そして、
「そんな可愛い顔で、物欲しそうな声を出さないで。
俺――もう止まらないよ?」