最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「今回は完璧にこっちの失態だった。
まさか美月ちゃんの家を襲撃するなんて……。
小太郎が家を出た瞬間を襲われたんだって?」
「っ!」
はい――と答える声が震える。
「あの時……」
楽しく三人で帰って、私の家で賑やかにしていた……はずだった。
だけど――
『ジュース買ってくるッス!下に自販機あったし!』
『あら、よく動くチビねぇ。犬みたーい』
『お前の分は買わねーッス!!』
『まぁまぁ、二人とも……』
生吹くんに「真白ちゃんと家にいる」とメールで報告した後。
一度は玄関の扉を閉めた小太郎くんが、「心配だから」と一緒にいてくれた。
そして小太郎くんがアパートの敷地内にあるジュースを買いに行くと言い、玄関を出た瞬間に……
バキッと、小太郎くんが殴られる音がした。