最強王子とフェンス越しの溺愛キス



「ねえ生吹。真白が純弥の幼馴染と面が割れたなら、もう彼女を警戒する必要はないかな?

美月ちゃんを助けようとしてくれた。Moonと共闘してくれた。それに何より――ココの場所を知らせてくれた」

「……ですね。ただ、美月のスマホのパスワードの問題が残ってます。なぜ真白は知っていたのか」




その時、純弥先輩が「え」と声を上げた。そして、




「俺も美月のパスワード知ってるよ?」




と、あっけらかんと言ってのける。もちろん、生吹くんも私も驚くわけで。




「えぇ!?」
「は?なんで?」




生吹くんに至っては、顔を歪めて、思い切り不信感を全面に出していた。もちろん、その矛先は純弥先輩。




「ちょ、何その目。だって真白が教えてくれたんだもん!遠目からだけど、美月がパスをロック解除する時の手つきを見て、数字が分かったって」

「で、いつ数字を聞いたんだよ純弥」



「さっき真白に会った時だよ。“救出した後、美月の関係者に連絡取れなかったらいけないから、美月のスマホを扱えるようにしとけ”って。

それで真白が俺に教えてくれたんだよ。パスの数字」




「そうだったんですね」と呑気に返事する私の横で、生吹くんが顔に手を当てた。



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