最強王子とフェンス越しの溺愛キス
漠然とそんなことを思っていた時。
ピロンとスマホが鳴った。純也先輩のだ。
「きたきた、真白から。え~っと…………」
無言の後、少し気まずそうにメールの文章を皆に見せる純也先輩。
皆で明るい画面を覗き見た。
そこには――
『注射器は常に靴の中に入れてる
気づかれないよう足で刺すなんて朝飯前』
文章を読んだ私たちは、しばらく閉口してしまう。
「やっぱりお前らは異人類だ」
「練習してどうにかなる事じゃなかったですね」
「……は、はは」
純弥、真白ペアの脱帽した私たちは、しばらく乾いた笑いが続いたのだった。