最強王子とフェンス越しの溺愛キス


「どうしたの、美月?」

「ふふ、あのね。真白ちゃんも、純也先輩と同じ事を言ってたんだよ」



「同じこと?」

「そう。今日小太郎くんに向かって――」




『ヤローの嫉妬ぉ?醜い~』




と、真白はそう言ったらしい。




「幼馴染っていいね。本当に仲が良さそう」

「……そうだね」




俺の腕の中で、気を許して笑う美月。

もう恐怖心に飲まれた顔はしていなくて、心の底からホッとする。




「本当、」




無事でよかった――




そう思い、美月を抱きしめる俺。

そんな俺を、藤堂さんが静かに見つめていた。







抱っこは恥ずかしいからおんぶにしてほしい――

美月にそう言われて、おんぶにして暫く歩くと、



「スー……」



美月は眠ってしまった。


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