最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「今何か言ったか?純弥」
「いーや、何も~。それよりコンビニ寄ってかない?久しぶりに動いたら腹減っちゃったよ~!」
呑気にそんな事を言うもんだから、つい鼻で笑ってしまう。
「ふん、護衛も大したことないな」
「ねえお前、なんで伊織には丁寧語で、僕にはタメ語なの?気づいてるからね!?」
「それより、藤堂さん」
「おい無視するなー!!」
美月のアパートに着いた時に、藤堂さんと向き合う。
おぶっている美月が寝ているのを確かに確認した後――俺は可能な限り、頭を下げた。
「どうしたの、生吹」
「俺がMoonに入ったって、小太郎が言うのを止めてくれてありがとうございました。おかげで美月に知られずにすみました」
「あぁ、あれね」
今朝、美月と藤堂さん、小太郎が自己紹介をしている時のことだ。