最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「おいおい、勘弁してくれよ」
「どうしたんスか?」
「どうしたもこうしたも。
無粋だよなぁ。
聖なる夜にケンカなんて――」
はぁとため息をつきながら、藤堂さんは仲間を見渡せる壇上まで移動する。
そしてカードを掲げ、口を開いた。
「皆、12月24日のクリスマスイブは空けておけ。
決闘だ――」
事態が思わぬ方向に進んでいたなんて、この時の私は思いもしなかったのだった。