最強王子とフェンス越しの溺愛キス







生吹くんから「お願い」をされた、その放課後。

一輝くんはMoonのアジトに来ていた。



「お~一輝!久しぶりだなぁ」
「一輝ーこっちでトランプしよーや」
「筋トレに付き合ってくれー!」


「悪ぃ、また後で」



サラリと交わして、一輝くんはある人物の所へ行く。

それは――藤堂先輩。



「やぁ、一輝」

「ご無沙汰してます」



一輝くんがお辞儀をすると、藤堂先輩は「相変わらず固いなぁ」と笑った。



「聞いたよ一輝。“ 生吹が総長じゃない”って、皆を説き伏せてくれたんだって?」

「説き伏せただなんて、大げさです」

「でも生吹は助かってるよ。そして俺もね。暗躍お疲れ様、生吹から礼くらい言われてるでしょ?」



嬉しそうに笑う藤堂先輩とは反対に、一輝くんは無表情のまま。

そして「アイツが礼なんて言うタマですか」と一蹴した。


< 267 / 447 >

この作品をシェア

pagetop