最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「応援、するだろ」
「え?」
「ダチなら普通、応援するだろ。ソイツの恋」
「! うん、そうだね」
一輝くんは「わけわかんねー」と肩をヒョイと上げて、アジトを後にする。そんな彼の姿を、藤堂先輩は笑みを浮かべて見送った。
「はは、まさか百点の答えが返ってくるとは。本当にグレ一輝を卒業したらしいな」
良かった――
そんな事を呟きながら。
藤堂先輩は一輝くんの姿が見えなくなるまで、しばらく見つめていたのだった。