最強王子とフェンス越しの溺愛キス


美月と昼飯を済ませ、二人の男を追い払った後――俺は自分の教室に帰ってくる。


昼休みが終わる時間ギリギリ。

なんとか間に合いそうだ。



ガラッ



「おー生吹。なに、また告白?」

「……違う」



よく行動を共にする、木立 一輝(こだち いっき)。

教室に入るタイミングがたまたま一緒になるも、入らないまま立ち話をする。



「また告白されたのかよ?飽きねーなぁ。お前も」

「意味わからないイチャモンつけんな。それに告白じゃない。もっと、いいもの」



俺の顔が緩んだのを見逃さなかった一輝は「へぇ」と面白そうに笑う。



「楽しい事があったわけ?」

「そんなとこ。ま、嫌な事もあったけど」

「どっちだよ!」



二人組の男のことを思い出して、苦虫を噛み潰したような顔をした俺を、呆れた様子で見る一輝。

一輝は茶髪でお坊ちゃん風な見た目からは想像つかない毒舌ぶりで、口も悪い。俺よりも遥かに。

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