最強王子とフェンス越しの溺愛キス



「無事でよかった……真白ちゃんッ」



嬉しくて嬉しくて、またこうやって会えたのも奇跡な気がして。

目からポロポロと涙が零れ落ちる。

だけど――



ゴンッ



「……い、いたぃ〜っ」



頭の上に、鈍い音が聞こえる。

真白ちゃんから一歩離れると、可愛い顔に似合わないファイティングポーズ。

まさか私、あの拳から一撃もらったの!?



「真白ちゃん、どうし、」



言いかけた、その時だった。



「この、大バカ者!!!!!!」

「ひぃ……ッ」



真白ちゃんの大声は、思ったよりも低くて怖い!

それに、目がなんだか吊り上がってるし、口もへの字だ。


あ、口といえば……



「そういえば真白ちゃん、もう口の怪我は平気なの……?」

「はぁ?口?」



忘れていたのか、真白ちゃんは指で唇の周りをなぞる。

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