最強王子とフェンス越しの溺愛キス
そして傷に触れた時に「あーこれ」と、未だ怒った顔のまま呟いた。



「こんな傷、化粧でどうとでも出来るっての」

「へ~そうなんだ。真白ちゃん、すごいね!」

「でしょー!

じゃなくて、コラ美月!話をすり替えないの!!」

「ひぃッ……」



真白ちゃんはファイティングポーズをやめたものの、その気迫はすごいもので。

こんな美少女が、こんな禍々しいオーラを発するなんて……ッ。



「こっちを!見なさい!!」



むぎゅッ



真白ちゃんの両手に、私の頬が挟まれる。

容赦なくギューと押さえつけられるものだから、私の顔はタコのように変化した。




私の顔はかなり面白くなっているはずなのに、真白ちゃんは一切笑わない。

ばかりか、語気を強めて私を叱った。



「なんであんな無茶したの!真白は強いって、美月も知ってたよね!?」

「ま、真白ちゃんが自分の事を”強い”とは言ってた、けど……。ま、まさか格闘家並みに強かったとは、純也先輩のお話を聞くまでは、し、知りませんでした……!」


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