最強王子とフェンス越しの溺愛キス

「バカ、美月……。私が、あの光景をどんな思いで目にしたか……わかってんのっ？」

「ごめん、なさい……」


「私が下手に動いて、もし美月に万が一の事があったらと思うと……安易には動けなかった。私は、美月のことを何も守れなかった……っ」

「真白ちゃん……」



そんな事ないのに。
絶対、守ってくれていたのに。

真白ちゃんは、本当に私の事を大事に思ってくれてる。

それが、こんなにも伝わってくる。

あぁ、私、



「幸せだよ……っ」



私の零した言葉に、真白ちゃんが反応した。



「幸せ？あんな危険な目に遭って！？」

「ちが……っ。真白ちゃんに出会えたことが幸せだなって……心から、そう思ったの」



笑った私とは反対に、真白ちゃんの笑みは曇る。

そして、



「………ごめん、美月」



それだけ。真白ちゃんは呟いた。



「（ごめんって、何に――？）」



ドキッと、嫌な胸の高鳴り方をする。

真白ちゃん、まさか……