最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「真白ちゃんの、バカ」
「え?」
「私がそんな事をいう訳ないよ……っ。だって私、真白ちゃんの事が大好きなんだもんッ」
「~、美月ぃ……っ」
「真白ちゃん……ッ」
お互い歩み寄って、抱きしめ合う。
お互いがお互いを叱って、素直に自分の気持ちを話して……。
そして、分かりあう。
そうすれば分かり合える。
「大好きだよ、真白ちゃん…っ」
「真白も……大好きだよ、美月」
校門近くでエンエンと泣きわめいたから、かなり注目されていた。
「魔女が泣かしてる」とか、そんな声も聞こえた。
だけど、いいんだ。もう。
そんな噂は、私にとって大事じゃない。
大事なのは――
「(本当に分かり合える友達を持つこと。それがたった一人でも、こんなに嬉しくて幸せなんだね)」
幼稚園の時から始まった、私の「嫌われないように人の顔色を見る癖」。
その壁は、きっと今――崩れ去った。