最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「美月、おはよう」
「お、はようッ。生吹くん」
時計は10時。
場所は駅の前。
日付は、12月24日。
そう、今日は、
まちに待った、デートの日!
連続して事件が起こったあの日々から一変。
Moonの方たちの護衛のおかげで、平穏無事に今日まで過ごしてきた私。
そんな私は、私服姿の生吹くんを初めて目にして、
「(どうしよう……カッコよすぎる……っ)」
会って三秒で、顔を真っ赤に染めていた。
「美月、寒い?平気?」
「むしろ、暑い……です」
「え、マイナス気温の極寒日が?」
不思議がる生吹くんの横で、私は顔の熱を冷まそうと、手でパタパタ仰ぐ。
生吹くんは「フッ」と目を細めて笑った。