最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「にしても、美月の荷物すごいね。大変なら持つよ?」
「ありがとう、でも大丈夫だよ。だんだん減っていくから!」
「減っていく?」
「この後、一輝くんと会うんだよね?」
「うん。でも、それが?」
「ううん!」
生吹くんは終始「?」な表情をしていた。
けど、内緒。まだ秘密なのッ。
「美月」
「わッ」
余裕をこいていると、生吹くんに手を繋がれる。
「はぐれないように。ね?」
「は、い……ッ」
クリスマスの日に休日という事もあってか、人がすごく多い。しかも男女の組み合わせが圧倒的で……。
皆、つきあってる人たちなのかな?
「(付き合う、か。いいなぁ……)」
正直、今の私と生吹くんの関係は、よく分からない。
手も繋いで抱きしめ合って、キスもした。クリスマスは、こうしてデートしてる。
だけど……生吹くんと「付き合おう」って話はしていない。