最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「あ」
「やっと俺を見た」
上がった腕を見ると、必然的に顔も上を向く。恥ずかしいから逸らしていた私の気持ちなんて、なんのその。生吹くんは少しくぐもった……いわゆる、色気のある声で私の耳元で囁く。
「今日の美月、死ぬほど可愛いから……もっと俺に見せて」
「!」
「一輝はもう少し後に合流するから、それまで美月を独り占めするからね」
「は、はぃ……っ」
意地悪そうに微笑むその姿は、もう王子様でしかなくて……。
生吹くんの熱に、甘く溶けて酔いそうになった。