最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「美月がブレスレットをつけてくれてる間に、俺は美月の好きな所を言うね」
「わ、わかった……えぇ!?」
「はい、よーい。スタート」
「(余計につけられないんじゃ……っ!?)」
生吹くんの顔を見ないまま、手だけに集中する。
だけど耳は、嫌というほど生吹くんの声を探していた。
「まず、素直なところ」
「ッ!」
「次に、優しいところ」
「~っ」
「それに、危なっかしいところ」
「も、もう分かったから、そのへんで――」
ブレスレットから目を逸らし、顔を上げた。
すると、
チュッ
生吹くんに、キスをされた。
そして静かに、唇が離れていく。