最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「(一気に帰りたくなった)」
なぜなら、個室。そして窓の外に見えるデカデカとしたツリー。
極め付けに、今プレゼントを渡し終えたと言わんばかりの、見慣れない二人のペアアクセサリー。
「なあ俺、邪魔だろ。帰るぞ」
「ちょっと待って」
「そ、そうだよ!今来たばかりなのにッ」
必死に引き止められる。
「(けどなぁ……)」
テーブルの上にある手つかずの料理を見て、ため息が出る。
絶対、タイミング悪く運ばれて来た料理だよな。明らかに二人分だし……。
「いや、やっぱいいわ。
美月ちゃん、久しぶりに会えて嬉しかったよ、じゃあね」
手をヒラヒラさせると、その手をガシッと掴まれる。
「おい生吹」と目を移すと、そこにいたのは生吹じゃなくて、