最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「お前、この状況でよく我慢出来てるな。すげーわ」
「……さっきはちょっとヤバかったんだよ」
「そんな顔には見えねーけど」
「普通隠すでしょ」
「……」
王子様、と叫ばれる理由が分かった気がした。
俺らの会話が何を意味をするか分からなかったらしい美月ちゃん。
「一輝くん、ちょっといい?」
と控えめに、俺の名前を呼ぶ。
「どした?なんか取ってほしい料理ある?」
「あ、じゃなくて……あの、これ」
震える手でオズオズと差し出された「それ」。少し大きな袋。ラッピングがしてある。
「これは……」
「一輝くんにはお世話になったから……。どうしても渡したかったのッ。クリスマスプレゼント」
「!」
そんなこと言われるなんて、思ってもみなかった。