最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「開けても……いいのか?」
「もちろんだよ!」
ガサガサと、袋を開ける。きっと生吹はもっと綺麗に、そしてスピーディーに開けるんだろうけど。
いいんだ。だって、それよりも――気持ちが浮ついて仕方ねーんだ。
パサッ
「あ、マフラー!」
「うん、一輝くんはバイクに乗るって聞いて。防寒にいいかなってッ」
「超あったけ~。大切にする。ありがとうな、美月ちゃん」
「うん、喜んでもらえて嬉しいッ」
へへと照れ臭そうに笑った美月ちゃん。
「追加の料理まだかなぁ」と気にしながら、チラッと何かを探した。すると隣の生吹がすぐ反応し「そういえば」と目を伏せる。
「お手洗いは入り口にあったね。料理はさっき追加したばかりだから、もう少し後に来るかも」
「! じゃあ、ちょっと私、席外すね。ごめんね」