最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「藤堂さんに言わなかったのかよ?大事なデートの日ですって」
「言ってない。デートなんて言ったら、また茶化されるしな」
という事は、一度は茶化されたのか……と少し同情した。
「それに、俺が自分で何があっても行くって決めてる」
「なんで」
「世話になってるから。藤堂さんにもMoonにも」
「そう。だけどな……」
はぁ~と、深いため息が出る。
「俺に一言くらい、何かあってもいんじゃねーの?」
「一言?」
「決闘なんて大事な事、隠さなくても良かったじゃねーか」
「……」
恨めしそうに生吹を見る。すると生吹は「嫌だね」と、スパンと俺の言葉をぶった切った。