最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「過保護だなー。なんだよ、どいつもこいつも」
「じゃあいっそMoonに入れよ。ダチの前に、一輝は一般人だからな。そういう意味でも、あの人はお前を蚊帳の外に出しときたいんだろ」
「……あっそ」
もう何を言っても突っぱねられると思った俺は、潔く諦めることにした。背もたれに背を預けて「ふぅ」と浅く息をついた時、生吹が尋ねてくる。
「そのおせっかいな人からのご要望なんだけど」
「なんだよ?」
「俺と恋バナする?」
「…………」
返事をしない俺を一瞥して、生吹はフッと笑った。
「本当はグレたかどうかも聞きたかったけどやめとくよ」と笑った顔は、全てを見透かしたような気に食わないツラだった。