最強王子とフェンス越しの溺愛キス


「ねぇ一輝……お腹、かなり空いてる?」

「は?」




「いや、ありえない量のお皿とおかずが、今こっちに向かってるから……」

「はぁ?」



すると美月ちゃんがタブレットの注文履歴を見て「あ」と顔を青くした。



「ご、ごめん……私の手が当たって、間違えて注文しちゃったみたい……。きっと十人分くらい来ると思う……」

「……」
「……」



その後――美月ちゃんの言う通り、テーブルに置ききれない料理がジャンジャン運ばれる。



俺らは解決策を練りながら。そして、美月ちゃんが半泣きで困っている姿を見て和みながら、楽しく箸を勧めるのだった。



ただ、




『お前は、なんも心配するなって話』




生吹の放った一言が、俺の鼓膜に媚びりついたまま離れなかった。



そして、その真意を聞けずじまいのまま――俺たち三人は解散の時間となる。


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