最強王子とフェンス越しの溺愛キス
生吹くんの隣から飛び出して、お母さんに抱き着く。そしてたくさんの事を謝りたくて、でも何から謝ったらいいか分からなくて、ただ「ごめんなさい」と何度も呟いた。
「うん、うん」
そんな私を、まるで幼い子を宥めるように、ポンポンと背中を優しく叩いてくれるお母さん。そのリズムに、また心がキュウと締め付けられた。
「急に一人暮らしをしてごめんなさい。お母さんと向き合わなくてごめんなさい。ありがとうって、感謝をせずに施設を出なくてごめんなさい。私の書いたクリスマスカードで泣かせてしまって、ごめんなさい……っ」
まだ、まだまだ謝りたいことはある。いっぱいある。離れてから気づいた、家に誰かがいてくれる嬉しさ。