最強王子とフェンス越しの溺愛キス
家に着いた時、外から見て真っ暗な自分の部屋を見るのが嫌だった。
今日あった嬉しい事、悲しい事を聞いてもらえなくて寂しかった。
朝起きて何の音もないまま、一人身支度をするのが虚しかった。
そして、
「恋しかったよ、お母さん……っ」
施設に入ってから今まで、一度もこんなに泣いた姿を見せたことない。
だから――
自分の感情を露わにする私の変化に、お母さんも驚いていて。だけど、安心したように笑った。
「とんだ泣き虫になって帰って来たねぇ、美月。いや、強くなったっていうべきなのかしらねぇ」
「うぅ~……っ」
私をポンポンとあやし続けながら、お母さんは生吹くんを見た。