最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「知らねーよ。俺は暴走族に入ってねーし。
知人から、そういう噂を聞いただけだ。
ただ、ヤバいらしい。
だから気をつけろよ、って話だ。
どんな手を使って来るか分かんねーぞ」
「……ご忠告、痛み入るよ」
俺に倣い、一輝も自分の席に着く。
その際に、ポツリと「ある事」を漏らした。
「せめて総長が姿を見せたらいいのにな。
そうしたら新島の暴走も止まるかもしれねーのに」
「……」
ピタッと、俺の手が止まる。
だけどすぐ「そうだな」と、それだけ返事をした。
だけど、止まったのは俺だけじゃない。
一輝も動かないまま――
ただジッと、俺を見ていた。
そして真剣な顔をしたかと思えば、聞いてきたのは、こんな事。