最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「今度寄られる際は、ぜひお話しましょうね。春風さん」
「はい、ぜひ。俺もその時を楽しみにしています。あ、料理は俺が中まで運びますね。入っても大丈夫ですか?」
「もちろんよ、ありがとう」
生吹くんはたくさんの袋を水平に保ちながら、一気に持ち上げる。そして門の中へ足を踏み入れた。
「あ、美月ごめん。寒いだろうけど、美月はここで待っててくれる?すぐ戻るから」
「え?うん。私も手伝うよッ」
「俺一人で平気だから。じゃあ、行ってくるね。あ、門の扉は閉めといてね」
そう言って生吹くんは行ってしまった。私は言われたとおりに門を閉める。
この施設は、周りを壁じゃなくてフェンスで覆っている。壁だと閉鎖感があるから嫌だというお母さんの意見らしい。